2022年9月19日週の為替相場(米ドル/日本円・ユーロ/米ドル・ユーロ/日本円)のおさらいと、2022年9月26日週の注目指標について考察をまとめてみました。
2022年9月19日週の為替相場について
注目された経済指標・イベント
- 9月21日
アメリカ
アメリカ連邦公開市場委員会(FOMC) 政策金利発表
パウエルFRB議長、定例記者会見 - 9月22日
日本
日銀金融政策決定会合 政策金利発表
黒田日銀総裁、定例記者会見 - 9月23日
フランス ドイツ ユーロ圏 イギリス アメリカ
製造業購買担当者景気指数(PMI) 速報値
サービス部門購買担当者景気指数(PMI) 速報値
このほかにも、サプライズで日銀金融政策決定会合の黒田東彦日銀総裁 定例記者会見の直後、神田財務官が『為替介入を行った』との発言で一気に円高へと傾斜しました。
チャート概況
米ドル/日本円(USDJPY)

FOMCや日銀金融政策決定会合といった大きいイベントが連日あった米ドル円ですが、FOMCでは予想通り75bpの利上げ、パウエルFRB議長の内容も前回のFOMCの内容と同様でした。そのため、政策金利発表で一時的に米ドル円はさがりましたが元の水準まで戻されています。
翌日の日銀金融政策決定会合では、政策金利は据え置き、現行の金融政策を継続、黒田東彦日銀総裁も緩和継続の発言で円安に傾斜、146円手前まで上昇しました。
しかし、黒田総裁の会見が終わった17時ごろ、神田眞人財務官の『為替介入を行った』という発言で米ドル円は最大5.5円下落し、その後は143円の水準まで戻りました。
ユーロ/米ドル(EURUSD)

ユーロに関して、リセッション(景気後退)懸念やエネルギー供給問題といった対ロシア問題に絡む不安材料と、金利差による米ドル高の地合いから急落しています。
日本の円買い介入のタイミングでは、ユーロドルで見ると米ドルが売られたことで100pips近く上昇していることが分かりますが、下落は継続しているためまだまだ米ドルが強い印象です。
ユーロ/日本円

対日本円でユーロを見てみると、金融政策差や金利差からまだまだユーロが強いように思いますが、ここ数日ユーロは対日本円でも強い下落が見られます。
この背景には、ユーロドルでも申し上げた通りリセッション(景気後退)懸念や対ロシアに関する問題が影響しているように思います。
2022年9月26日週の注目経済イベント
- 9月26日
ユーロ圏
ラガルドECB総裁 発言 - 9月27日
アメリカ
パウエルFRB議長 発言
8月 新築住宅販売件数
9月 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード) - 9月28日
ユーロ圏
ラガルドECB総裁 発言 - 9月30日
イギリス
4-6月期四半期国内総生産(GDP) 確定値
ユーロ圏
9月 消費者物価指数(HICP) 速報値
アメリカ
8月 個人消費支出(PCEデフレーター)
2022年9月26日週の大きい経済指標は、ユーロ圏のHICPやアメリカのPCEデフレーターあたりですが、今週はラガルドECB総裁やパウエルFRB議長の発言が多い週みたいです。
特にラガルドECB総裁は、直近のユーロ安やリセッションについての発言が注目ポイントになると思います。
過度なインフレによるダメージでバランスが崩れ、さらなるリセッション懸念が高まりそう…
どこの国も、新型コロナウィルス後の対応と対ロシア問題が足枷となり舵取りが難しくなってしまっているように感じます。
最近では、金融政策差や金利差によってリスクオフ時にあまり日本円が買われなくなってしまいましたが、アメリカのインフレ問題も深刻ですので、先週行われた24年ぶりのドル売り円買い介入をキッカケにリスクオフ継続で緩やかに円高に傾斜していくのではないかなと個人的に思っています。今後、日本ではコロナの水際対策も緩和していく方針もありますし、そうなると日本円の需要も高まってくるかなーと。
しかし、金利の高い通貨に資金が流れていくというのもまた事実ですので、はっきりとは断言できません。
今週は、要人発言や日本の今後の為替介入について念頭に置きつつトレードを行っていきたいです。