2022年8月29日の為替相場(米ドル/日本円・ユーロ/米ドル・ユーロ/日本円)のおさらいと、2022年8月30日の注目指標について考察をまとめてみました。
2022年8月29日(月)の為替相場について
注目されていた経済指標・イベント
2022年8月29日(月)に注目されていた経済指標やイベントはありません。
しかし、日本時間2022年8月28日(日)の朝にジャクソンホール会議にて、日銀の黒田総裁が
“日銀は金融緩和策を維持する以外ない”
と発言しました。
黒田総裁、日銀は金融緩和策を維持する以外ない-ジャクソンホール
日本銀行の黒田東彦総裁は27日、日本のインフレのほぼ全てが商品価格上昇によるものだとし、日銀は金融緩和策を維持する必要があるとの見解を示した。米カンザスシティー連銀主催のジャクソンホール(ワイオミング州)会合で発言した。
当日の通貨強弱

8月28日のジャクソンホール会議での黒田総裁の発言を受け、先週まで少し買われていた日本円がまた売られてしまい最弱に。米ドル高の地合いは相変わらずですが、先週金曜日からECB関係者の要人発言にてタカ派の意見が出始めたため、ユーロもかなり強くなってきました。
チャート概況
米ドル/日本円

先週の金曜日に、137円半ばのレンジ高値で引けた米ドル円ですが、日曜日の朝にあったジャクソンホール会議での黒田総裁の発言で、週明けの米ドル円は一気に139円をつけました。
その後失速して138円半ば~139円手前のレンジを形成しているようです。
ユーロ/米ドル

前半は米ドル高の流れに連れられる形で0.9950を割り込んだユーロドルですが、ロンドン時間以降はECB関係者のタカ派発言によりパリティに戻され、攻防戦を続けています。
地政学的リスクは懸念すべきですが、中央銀行が絶対であることがチャートからも伺えます。
ユーロ/日本円

金融政策差とECB関係者のタカ派発言がシナジーを生んで、ユーロ円は著しい上昇を見せました。
2022年8月30日(火) 注目の経済指標・イベント
2022年8月30日(火)の注目されている経済指標・イベントは以下の通りです。
- 【ドイツ】21:00 消費者物価指数(CPI・速報値)
本日は21時からドイツCPIがあります。
ユーロに大きな影響はなさそうですが、翌日の2022年8月31日(水)にHICP(ユーロ圏全体のCPI)があります。ユーロ圏の中でも経済規模が大きいドイツのCPIはHICPの予行演習と言えますので、チェックしておいて損はないと思います。
日本の金融政策と差が開き円キャリーが続きそう
先週時点では、円キャリーがひとまず落ち着くかなと思われましたが、ジャクソンホール会議での黒田総裁がやってくれましたね。
パウエルFRB議長もタカ派スタンスですし、ハトだと思われたECBも先週末からタカ派の姿勢に切り替わり、主要国の中では日本のみが金融緩和策を維持し続けている現状です。
各主要国の利上げやQT(量的引き締め)が終わるまでは、この状況が続くのかなと妄想しています。黒田総裁の後任問題もありますので、その話が出るまで今後しばらく円キャリーの地合いが続きそうです。