2020年3月に起きたコロナショック相場から、世界各国の中央銀行では低迷した経済をゼロ金利政策や量的緩和を行い経済を持ち直してきました。ゼロ金利政策や量的緩和を行ったことによるインフレ―ションをこれ以上加速しないよう食い止めるべく、金融正常化に向けてテーパリング(量的緩和の縮小)を今日まで行ってきました。
そして、イギリスを筆頭に12月のBOE政策金利発表で利上げを行ったり、先月アメリカで行われたFOMCではFRBが3月の利上げを予告したり、世界では利上げに向けて動き始めています。
今夜はBOEとECBの政策金利発表があるので、この二つについて注目すべきポイントをまとめていきたいと思います。
動画はこちら。
2022年2月に行われるBOEとECBで注目される内容とは!【みぁの駆け足ニュース】
2022年2月に行われるBOE政策金利発表
今回のBOE政策金利発表で注目すべきポイントは、2会合連続での利上げがあるかどうかです。
『利上げをしないと過去最高水準のインフレ率になってしまう』とIMFに釘を刺され、12月のBOE政策金利発表では、0.25%の利上げが発表されました。
そんな今回のBOE政策金利発表前に、こんなニュースも出ていました。
英中銀2会合連続利上げへ、欧州2大中銀のインフレ対策の違い鮮明に
欧州の2大中央銀行が今週、政策会合を開く。両中銀の政策決定は、インフレ高進への対策の道筋が非常に異なることを浮き彫りにしそうだ。
2月3日に予定される両中銀の政策決定発表では、2会合連続で欧州中央銀行(ECB)よりもイングランド銀行(英中銀)から花火が上がりそうだ。ベイリー総裁率いる英中銀は2004年以来となる2会合連続の利上げを発表する見通し。
英中銀による0.5%への政策金利引き上げが実施されれば、3月に保有債券の縮小を開始する道が開かれ、10年以上にわたり拡大が続いたバランスシートの転換点となる。
このニュースを見る限りMPCメンバーはタカ派が多く、市場予想も現在の0.25%から0.5%への利上げが予想されています。
今夜行われるBOE政策金利発表で市場予想通り現在の0.25%から0.5%へ利上げが発表されれば、またポンドドルで100pips近い上昇が起こるかもしれません。
あまり現実的ではないかもしれませんが、万が一政策金利が市場予想に反して据え置きとなった場合は、マイナスサプライズとしてかなりポンドが売られると思いますので、指標トレードを行う際はこちらも頭に入れておきたいです。(妄想)
また今回は、四半期インフレ報告が行われるスーパーサーズデーでもあるのでボラティリティが期待できる起爆剤はたくさんあります(ニッコリ)
2022年2月に行われるECB政策金利発表
今回行われるECB政策金利発表で注目すべきポイントは、PEPP(パンデミック緊急購入プログラム)という量的緩和策が2022年3月に終了した後、利上げまでのスケジュールがどうなるのかについてだと思います。
ECB理事会は、前回2021年12月に行われたECB政策金利発表で政策金利を据え置き、現行の量的緩和策であるPEPP(パンデミック緊急購入プログラム)が2022年3月に終了することを発表しています。
そしてこんなニュースも出ています。
ECB、引き締めでなく「正常化」の道筋を示唆へ-3日に政策発表
欧州中央銀行(ECB)当局者らはユーロ圏を超緩和的金融政策から自立させつつ、世界の他の中銀に比べはるかに緩やかな緩和引き揚げの道筋を描き出すという問題に頭を悩ませている。
米連邦準備制度とイングランド銀行(英中央銀行)の引き締め姿勢でユーロ圏も同様の動きを取るとの観測が浮上しているが、目標の2%に近いインフレ見通しを見込む中でECB政策委員会が注力するのは、政策「正常化」の可能性だ。
このニュースを見る限りだと、ECBメンバーは利上げに対して弱気で足踏みをしているように思えます。また、市場予想でも今回行われるECB政策金利発表では、政策金利が0.00%と据え置きの予想となっています。
そのため、利上げといったサプライズがない限りは大きな値動きにはならないとは思いますが、2022年3月にPEPPも終わる予定なので、ハト派姿勢のラガルドECB総裁から少しでも利上げに対して前向きな発言があれば、サプライズとして大きく動く可能性もあります。
一番注目すべきはBOE政策金利発表
大きな値動きを期待するのであれば、BOE政策金利発表が一番見どころがあるのではないかなと思います。2会合連続での利上げとなればかなり強気の姿勢だと思いますので期待できそうです。
しかし、BOE政策金利発表もECB政策金利発表も今後の相場の流れを作るきっかけとなる大きなイベントなので、ポンドやユーロをトレードされる方はどちらもチェックしておきましょう!